イントロダクション
夏は寒玉系が主流の中、敢えて春系キャベツで勝負する岩手町。
美味しさを広く知ってもらうためのPRプロジェクトが動き出している。
甘くて柔らかなキャベツ、「いわて春みどり」。全国ブランドの仲間入りを果たしたものの、他産地と比べるとまだまだ知られていない。PRプロジェクトを通し、夏に食べられる特別なキャベツとして認知度アップを目指す。
農産物概要
「南部甘藍」から「いわて春みどり」へ、半世紀を経て復興を遂げた産地とブランド
岩手町は戦前からキャベツ栽培が盛んで、「南部甘藍(かんらん)」として中国や台湾まで出荷していた歴史がある。戦後、壊滅的な害虫被害により一度は産地が消滅。しかし昭和59年に、「再び産地を復活させたい」と生産者有志が立ち上がり、夏場には珍しい甘くて柔らかな春系品種を導入。オリジナルブランド「いわて春みどり」として産地育成が進められ、全国ブランドの仲間入りを果たした。現在、生産者数は59戸と減少傾向にあるものの、農作業の省力化・効率化などによって規模拡大を進めたことで、産地全体の栽培面積は約400haにも及ぶ。技術面でも東部地域春みどり専門部会が中心となり、耕畜連携による堆肥を活用した土づくりなどを推進しながら、高品質なキャベツ栽培に取り組んでいる。
プロジェクトの取り組み
多彩なPR展開でキャベツの認知度をアップ、生産現場の努力をサポートする
岩手町では、標高の高い山間部を中心に、昼夜の寒暖差を利用してキャベツ栽培が行われている。しかし近年、生産者を悩ませているのが、高温障害や干ばつ・豪雨、鹿などによる獣害だ。そもそも春みどりは栽培が難しい品種であり、加えて24〜25℃の適温をはるかに超える猛暑が生育を阻む。干ばつで苗が枯れたり、水不足で支障が出るなど、畑の管理が難しい状況にあるためPRには手が回らないという。そこで、いわて農業未来プロジェクトでは、高温・乾燥から守るスキーポンの導入支援と、「いわて春みどり」の認知度向上を図るブランディングプロジェクトをスタート。首都圏向けラッピングトラックを用意し実走させるだけでなく、店頭販売などで着用するTシャツ&帽子や販促用グッズも制作してきた。また、首都圏小売店でのPR企画も実施し、首都圏のバイヤーとの関係性再構築や強化をサポートしている。